151111






日経平均19,691.4
TOPIX1,595.3
騰落レシオ132.3%
RSI69.8%
乖離率2.80%
売買指数120


3時になった。


パッと画面が明るくなった次の瞬間から動かなくなった。


『ふぅっ。』と林野は一息つき、スマホの表示を切りながら、軽く後ろを向いた。




「お客さん、お待たせしました。どちらまで?」




乗り込んで来た時は板に夢中で気付かなかったが、客の女性はなかなかの美人で、見た目は林野より少し年下の20歳代後半と言う感じで、スーツ姿が妙に色っぽかった。




「京都駅までお願いします。」




丁寧に女性は答えた。




「正面でいいですか?」



「はい。」



「分かりました。」




言いながら林野はタクシーのアクセルをゆっくりと踏み込んだ。












走り出して暫くしてから林野は、バックミラーで時折女性の姿を確認しながら運転していた。


美人の姿は目の保養になるのである。


女性は窓の外を見ていて林野の視線に気づいてなかったが、何回かチラ見していると最後に視線を戻した女性の目と合ってしまった。


気まずくなり、慌てて視線を逸らした林野であったが、予想外に女性の方が話し掛けてきた。




「さっきのゲームですか?」



「いえ、板見てたんです。」




チラ見して叱られるのかと思い込んでいたら違う質問だったので、ついつい本当のことを言ってしまった。


しかし、一般人に板と言っても、何のことか分からないだろうから、どう説明しようかと考えていたら、またまた女性の口から予想外の言葉が出てきた。




「デイトレですか?」



「えっ。」




一瞬、林野は説明しようと用意していた言葉を飲んだ。


まさかデイトレと言う言葉が、女性の口から出て来るとは思っていなかったからである。




「あ、違います。たまたま仕込んでた銘柄が騰がったんで、嬉しくなって板を見ていたかっただけです。」



「分かります、それ。あたしも、同じですから。」




素人くさいことを照れ笑いしながら話す林野の言葉に、女性は呆れず笑顔で同意してくれたのだった。

 




①勝負は、拙速を好む

 

②固まってはならない

 

10戦3勝7分を目指せ

 

④小損は大損の仇なり

 

⑤勝てると信ずるべし