151116








日経平均19,393.7
TOPIX1,571.5
騰落レシオ119.5%
RSI62.3%
乖離率0.26%
売買指数34



林野は、『期待しない』、『期待しない』と自分に言い聞かせていた。


自分みたいな男が彼女を誘って断わられるのは当然であり、受けてくれる方が奇跡である。


だから、期待して断わられた時の心理的ダメージを受けないために、予防線を張ると言うのが、林野の今の性格であった。


だから、かなり軽く『オレで良かったら、教えますよ。』と、彼女に言ったのである。


断わられたら、笑いに変えられるように。


が、林野の予想は、良い方へと大幅上方修正された。


それも、ストップ高連発くらいに!











「ホントですか?」




目を輝かせた彼女が、上半身を起こし、ガシッと両手で前座席の肩部分を持って、勢い良く林野を覗き込むような体勢になりながら言って来た。




「ええ、いつでも良いですよ。」




予想外の反応に、心の中は大慌ての林野であったが、悟られないように努めて平然に答えた。


が、平然と答えたと思っていたのは林野だけで、そばで第三者が聞いていれば、『何上ずってるんや、コイツ!』と感じたに違い無かった。




「ホント、ホントですか!?」




彼女の声には、喜びの色が塗られていた。




「ええ。」




長く話すと悟られると思い、一言で返す林野である。


林野の承諾を聞くと、前のめりになっていた彼女は、座席に伸びをする感じで、仰向けに倒れ込んだ。




「やったー!」




腕を前で上下させたりして、全身で喜びを表現している彼女の姿をバックミラー越しに見て、それ以上に大喜びしたくなる林野である。


一通り喜んだ彼女は、再び前のめりになって、林野に話しかけてきた。




「例えば今日は?林野さんの仕事終わるの待ちますから。」



「あ、いいですよ。オレ、6時上がりなんで。赤松さんを京都駅で降ろしたら、そのままタクシー車庫に戻して京都駅に戻って来ますよ。」




悟られないよう、悟られないよう、注意しながら話す林野である。




「じゃ、あたし、花の舞に行ってますね、
3178チムニーの。」



「分かりました。6時過ぎには行けると思います。」




3178
チムニーの花の舞と言うことで、いつもと違って正規のタクシー降り場で彼女を降ろして、車庫に向かった。


逸る心を抑えつつ、ここで焦って事故でも起こせば全てパーだと自分に言い聞かせながら、いつもより安全運転で車庫に向かった林野であった。

 

 

 


①勝負は、拙速を好む

 

②固まってはならない

 

10戦3勝7分を目指せ

 

④小損は大損の仇なり

 

⑤勝てると信ずるべし