日経平均 | 20,012.4 |
TOPIX | 1,602.0 |
騰落レシオ | 122.8% |
RSI | 65.2% |
乖離率 | 1.08% |
売買指数 | 79 |
実家の近所にある古臭い昔ながらの飲み屋が、林野たちの溜まり場であった。
テーブルは四人掛けが2つしかなく、残りはカウンター席が8つほどあるだけのこじんまりした店である。
店の女主人は、林野が小学生の頃からの顔見知りで、30年近く経った今でも、見た目は当時から全く変わっていない。
小学生の頃から、『エイリアンだ!』と言って、変身してるところを見つけようと戸の隙間から、皆で覗いたりしていたものである。
久々に会った時は、『ホントにエイリアンちゃうか?』と大人になった林野をビビらせたりもした。
「おばちゃん、ビールお代わり下さい!」
長谷部がビール瓶を持ち上げながら、カウンターに立っているおばちゃんに言うと、おばちゃんは面倒くさそうに
冷蔵庫からビールを取り出して、蓋を開けながら持って来てくれた。
長谷部は、それを受け取りながら空ビンを返し、そのまま瓶の口を林野に向けて、顔で合図してきた。
気付いて、空になってるグラスを林野は、持ち上げた。
「急に優待銘柄のこと聞いて、何か美味しい話でもあんの?林野は、チャート主体やったよね。」
長谷部がビールを注ぎながら聞く。
「あ、別に美味しい話は無いって。」
「じゃ、何故急に優待銘柄の話を聞く!?」
軽く流そうとした林野を、ニコニコしながら長谷部は食い下がる。
『確かに何も無いのに、優待銘柄のことを尋ねたのは、どう考えても不自然だよな。』と思った林野が長谷部の顔を見直すと、表情はニコニコしているが目は全く笑って無かった。
明らかに、儲けの種を隠してると疑ってる顔付きだった。
これは誤解されるより、本当のこと言った方が良さそうだと林野が感じのは言うまでもない。
「実は、優待投資家の子と知り合って、色々質問されてんの。」
「なに?美人だな、その子!林野がそんな風に言うってことは!」
急に林野の横で静かに飲んでいた直之が割り込んできた。
「まぁ、どっちかって言えば美人かな?」
「誰に似てる?誰に?」
直之が顔を近づけてきたので、その勢いに圧倒されて、林野はついつい正直に答えてしまった。
「えっ、石原さとみみたいな感じかな?」
「どこで知り合った!石原さとみと!」
「石原さとみじゃないって、石原さとみに似た子だよ!」
完全に、石原さとみの名を出した林野の失敗である。
正直に言った方が良いかと思ったのに、余計にややこしくなってしまった。
『相変わらず見通しが甘い』と師匠に叱られると感じた林野である。
①勝負は、拙速を好む
②固まってはならない
③10戦3勝7分を目指せ
④小損は大損の仇なり
⑤勝てると信ずるべし