160126









日経平均16,708.9
TOPIX1,360.2
騰落レシオ61.9%
RSI38.6%
乖離率△1.47%
売買指数△19



今の林野の投資法は、下げ切った銘柄を静かに仕込んで吹くのを待つと言うものである。

だから、相場全体の上昇、下落を、それほど意識する必要はない。

にも関わらず、知りたいのは、ただただ結衣の為であった。





「いくら暴落後の急反発っちゅーても、2日で1,000円は騰がり過ぎやろ。」

「そうですよね。もう一度下げますよね。」


林野の電話の相手は、林野の師匠である。

何度か電話してる中で、フラッと出てくれたのである。


「下げるっちゅーても、2番底を探りに行くか、数百円下げたところでダラダラするかは、分からんわな。」

「ここからは、どう動くのがベストなんですかね?」

「相変わらずアホやな。まだ、そんなこと言ってんのか!?今の時点で、そんなこと分かる訳無いやろ。電話に出たこと、後悔させるようなこと言うな!!」


叱られてビビる林野であるが、ここでは引き下がれないと、もう一歩踏み込んで質問してみた。


「スミマセン。ところで、昨日の反騰で、いくらか持ち高減らしました?」

「お前、また自分の分を弁えてない勝負に出とんな!」


が、踏み込んだことが、師匠の逆鱗に触れてしまった。


「いえ、違います。そんな勝負やってません。」

「やってへんかったら、そこまで弱気にならへんやろ!何を隠してんねん。言わんと、二度と電話出えへんぞ!」


ここまで言われたら隠せる訳もなく、林野は師匠に結衣のことを説明した。


「お前、その子のこと嫌いなんやろ。」

「えっ、そんなこと無いです。」

「ふーん、損させようとしてんのに、嫌いやないんか。」

「いや、確かに今は含み損ですけど、たまたま相場が悪かっただけで。」

「アホが!!確かにイベント投資はやり易いけど、分を超えた勝負は、全てを台無しにするって言うてるやろ!イベント投資っちゅーても、波乗りの一つや。大きな波が来た時に巻き込まれるのは、当たり前やろ。その時の退避方法教えたんか!」

「いえ、それはそういう場面が来た時に教えた方が良いと思って・・・。」

「先週、来たけど、説明したんか?」

「いえ、できませんでした。」

「お前、何言うてるねん。結局、その子に何も教えられてないやないか!中途半端に教えることは、結局は損にしかならん!教えるなら、徹底的に教えなアカンって言うたよな。お前には、まだ徹底されてへんみたいやな。」

「いえ、されてます、されてます。」


暗い過去が、林野の脳裏をかすめる。


「その子に言うなら、猶予は春までと言うとけ!」

「はいっ。」

「それと、二度とこんなくだらんことで電話してくんな!」


これだけ言って、師匠は一方的に電話を切った。

その途端、ドッと疲れと汗が出た林野であった。



①勝負は、拙速を好む

 

②固まってはならない

 

10戦3勝7分を目指せ

 

④小損は大損の仇なり

 

⑤勝てると信ずるべし