日経平均 | 16,708.9 |
TOPIX | 1,360.2 |
騰落レシオ | 61.9% |
RSI | 38.6% |
乖離率 | △1.47% |
売買指数 | △19 |
今の林野の投資法は、下げ切った銘柄を静かに仕込んで吹くのを待つと言うものである。
だから、相場全体の上昇、下落を、それほど意識する必要はない。
にも関わらず、知りたいのは、ただただ結衣の為であった。
「いくら暴落後の急反発っちゅーても、2日で1,000円は騰がり過ぎやろ。」
「そうですよね。もう一度下げますよね。」
林野の電話の相手は、林野の師匠である。
何度か電話してる中で、フラッと出てくれたのである。
「下げるっちゅーても、2番底を探りに行くか、数百円下げたところでダラダラするかは、分からんわな。」
「ここからは、どう動くのがベストなんですかね?」
「相変わらずアホやな。まだ、そんなこと言ってんのか!?今の時点で、そんなこと分かる訳無いやろ。電話に出たこと、後悔させるようなこと言うな!!」
叱られてビビる林野であるが、ここでは引き下がれないと、もう一歩踏み込んで質問してみた。
「スミマセン。ところで、昨日の反騰で、いくらか持ち高減らしました?」
「お前、また自分の分を弁えてない勝負に出とんな!」
が、踏み込んだことが、師匠の逆鱗に触れてしまった。
「いえ、違います。そんな勝負やってません。」
「やってへんかったら、そこまで弱気にならへんやろ!何を隠してんねん。言わんと、二度と電話出えへんぞ!」
ここまで言われたら隠せる訳もなく、林野は師匠に結衣のことを説明した。
「お前、その子のこと嫌いなんやろ。」
「えっ、そんなこと無いです。」
「ふーん、損させようとしてんのに、嫌いやないんか。」
「いや、確かに今は含み損ですけど、たまたま相場が悪かっただけで。」
「アホが!!確かにイベント投資はやり易いけど、分を超えた勝負は、全てを台無しにするって言うてるやろ!イベント投資っちゅーても、波乗りの一つや。大きな波が来た時に巻き込まれるのは、当たり前やろ。その時の退避方法教えたんか!」
「いえ、それはそういう場面が来た時に教えた方が良いと思って・・・。」
「先週、来たけど、説明したんか?」
「いえ、できませんでした。」
「お前、何言うてるねん。結局、その子に何も教えられてないやないか!中途半端に教えることは、結局は損にしかならん!教えるなら、徹底的に教えなアカンって言うたよな。お前には、まだ徹底されてへんみたいやな。」
「いえ、されてます、されてます。」
暗い過去が、林野の脳裏をかすめる。
「その子に言うなら、猶予は春までと言うとけ!」
「はいっ。」
「それと、二度とこんなくだらんことで電話してくんな!」
これだけ言って、師匠は一方的に電話を切った。
その途端、ドッと疲れと汗が出た林野であった。
①勝負は、拙速を好む
②固まってはならない
③10戦3勝7分を目指せ
④小損は大損の仇なり
⑤勝てると信ずるべし