日経平均 | 17,045.0 |
TOPIX | 1,388.8 |
騰落レシオ | 70.2% |
RSI | 57.6% |
乖離率 | △0.47% |
売買指数 | △3 |
佳奈が父親から教えられた一つに、恐怖は立方体だと言うのがある。
投資をしている時に最も邪魔をするのが、内なる敵、つまり恐怖心だと言うことである。
「何それ?お父さん。」
「買い下がりしてる時の恐怖や。恐怖は、『相場の下落』、『含み損の拡大』、『種銭の減少』と言う3つの要素から生まれてくる。だから最初の仕込みが恐怖指数1としたら、次の恐怖は2やなくて、2×2×2の8になる。その次は、3やなくて、3×3×3の27になる。」
「ようわからんわ!もっと分かり易くいってよ。」
「下がれば下がるだけ、買い難くなるってことや。相場は下がれば下がる程、何処までも下げそうで怖さが増すやろ。」
「うん。」
「次に、買ったのが含み損になってる状況で、買い増せば含み損は急拡大するから、含み損が増えれば増えるほど怖さが増すやろ。」
「うん。」
「最後に、買えばどんどん資金が減るんや。下がれば買い増さないとダメなのに、その資金が減れば減るほど怖さが増すやろ。」
「うん。」
「だから、恐怖の立方体って言った訳。買い下がりは、下がれば下がる程買うと言う投資手法やから、怖がって買えなかったり、種銭が尽きて買えなかったりすることが、失敗の原因になる。この二つさえ回避できれば、成功するんだよ。」
「と、こんなことを言われたんです。」
パスタをフォークに巻き付けながら、佳奈が思い出して言う。
佳奈と一緒にランチしている結衣であるが、食べることを忘れて聞き入っていた。
「なるほど。林野さんも、恐怖は加速度的に増えるって、言ってたもんね。それで、具体的にどうしたら良いか、お父さんに聞いた?」
「だから、買いたい量の半分だけを買うんです。この話、しませんでしたっけ?」
「その半分ってとこだけ聞いた。」
「先輩、食べないんですか?冷めちゃいますよ。」
「あ、食べる、食べる。」
ぬるくなったカルボナーラを急いで口に運びつつ、考え込む結衣であった。
①勝負は、拙速を好む
②固まってはならない
③10戦3勝7分を目指せ
④小損は大損の仇なり
⑤勝てると信ずるべし