160302









日経平均16,746.5
TOPIX1,349.6
騰落レシオ98.4%
RSI65.0%
乖離率3.92%
売買指数27



結衣が声のする方を見上げると、見慣れた顔の二人がプレートを持って立っていた。


「あ、ホントだ、久しぶり。部署離れたら、なかなか会わないものね。」


結衣が答えると、前に居た子が応じた。


「だよね、ここいい?」


結衣と佳奈、それぞれの横で、空いている席を視線で聞いた。


「あ、いいよ、どうぞどうぞ。」


椅子を引く結衣を見て、佳奈も自分の隣の椅子を引いて誘った。



二人が座ると、直ぐに結衣が紹介し始めた。


「後輩の奥田さんで、こっちは同期の斯波さんと、渋川さん。二人とも今は情シだっけ?」

「今は子会社に出向中よ。今日は研修があって、こっちにきてるの。よろしくね。」


渋川と紹介された子が、佳奈に軽く会釈した。


「いえ、赤松さんには、いつも良くして貰ってます。」

「何?結衣からそう言う風に言うようにと、教育されてるの?」


佳奈の言葉に、急に斯波が反応した。


「えっ?」

「してません!もう、奥田さんに変なこと言わないでちょーだい!」


戸惑う佳奈を見て、結衣が止めに入る。


「だって、結衣が後輩の世話が焼ける訳無いよね。逆に、世話を焼いて貰ってるでしょ、奥田さんに!」


ニヤリとしながら、斯波が言う。

怒る結衣に、呆気にとられる佳奈。


「もうっ、あのねっ!」

「結衣をからかうのはその位にしときなさい!」


結衣が怒ろうとすると、すかさず渋川が先に斯波を止めた。


「は〜い。」


渋々、渋川に従う斯波であった。


「ねぇ、結衣。」

「はい。」


今度は静かに渋川が話掛けた。


「結衣は、まだグループ営業だよね。」


グループ営業とは、グループ会社に対して行う営業のことである。

グループ内での取引を仲介し、グループ全体の利益を最大化するために動く部署である。


「うん、そうだけど。」

「来期の業績はどんな感じ?」

「えっ、どうしたの、急に?」

「ほら、日経平均下落して、円高になってるじゃない!?これからも株価下がるのかなって思って?」


またまた割り込んでくる斯波。


「えっ、二人とも、投資始めたの?」


仲間が増えたと思い、結衣の声が歓喜の色に染まる。


「投資って、自社株しか持って無いわよ。」


即座に否定する斯波。


「えっ、じゃ、どうして?」

「年金よ、年金。運用先を変更するかどうか話してたところなのよ。結衣はどうする?」

「どうするって?」

「だから、株価下がってるし、円も高くなってるじゃない。これまでのアクティブ運用の比率を改めないとダメかなって、二人で話してたところなのよ。」

「あー、401Kね。」


年金から、投資、401Kとなかなか繋がらなかった結衣であった。




①勝負は、拙速を好む

 

②固まってはならない

 

10戦3勝7分を目指せ

 

④小損は大損の仇なり

 

⑤勝てると信ずるべし