日経平均 | 16,746.5 |
TOPIX | 1,349.6 |
騰落レシオ | 98.4% |
RSI | 65.0% |
乖離率 | 3.92% |
売買指数 | 27 |
結衣が声のする方を見上げると、見慣れた顔の二人がプレートを持って立っていた。
「あ、ホントだ、久しぶり。部署離れたら、なかなか会わないものね。」
結衣が答えると、前に居た子が応じた。
「だよね、ここいい?」
結衣と佳奈、それぞれの横で、空いている席を視線で聞いた。
「あ、いいよ、どうぞどうぞ。」
椅子を引く結衣を見て、佳奈も自分の隣の椅子を引いて誘った。
二人が座ると、直ぐに結衣が紹介し始めた。
「後輩の奥田さんで、こっちは同期の斯波さんと、渋川さん。二人とも今は情シだっけ?」
「今は子会社に出向中よ。今日は研修があって、こっちにきてるの。よろしくね。」
渋川と紹介された子が、佳奈に軽く会釈した。
「いえ、赤松さんには、いつも良くして貰ってます。」
「何?結衣からそう言う風に言うようにと、教育されてるの?」
佳奈の言葉に、急に斯波が反応した。
「えっ?」
「してません!もう、奥田さんに変なこと言わないでちょーだい!」
戸惑う佳奈を見て、結衣が止めに入る。
「だって、結衣が後輩の世話が焼ける訳無いよね。逆に、世話を焼いて貰ってるでしょ、奥田さんに!」
ニヤリとしながら、斯波が言う。
怒る結衣に、呆気にとられる佳奈。
「もうっ、あのねっ!」
「結衣をからかうのはその位にしときなさい!」
結衣が怒ろうとすると、すかさず渋川が先に斯波を止めた。
「は〜い。」
渋々、渋川に従う斯波であった。
「ねぇ、結衣。」
「はい。」
今度は静かに渋川が話掛けた。
「結衣は、まだグループ営業だよね。」
グループ営業とは、グループ会社に対して行う営業のことである。
グループ内での取引を仲介し、グループ全体の利益を最大化するために動く部署である。
「うん、そうだけど。」
「来期の業績はどんな感じ?」
「えっ、どうしたの、急に?」
「ほら、日経平均下落して、円高になってるじゃない!?これからも株価下がるのかなって思って?」
またまた割り込んでくる斯波。
「えっ、二人とも、投資始めたの?」
仲間が増えたと思い、結衣の声が歓喜の色に染まる。
「投資って、自社株しか持って無いわよ。」
即座に否定する斯波。
「えっ、じゃ、どうして?」
「年金よ、年金。運用先を変更するかどうか話してたところなのよ。結衣はどうする?」
「どうするって?」
「だから、株価下がってるし、円も高くなってるじゃない。これまでのアクティブ運用の比率を改めないとダメかなって、二人で話してたところなのよ。」
「あー、401Kね。」
年金から、投資、401Kとなかなか繋がらなかった結衣であった。
①勝負は、拙速を好む
②固まってはならない
③10戦3勝7分を目指せ
④小損は大損の仇なり
⑤勝てると信ずるべし