独歩安の日経平均である。
ただ先週は多少なりとも過熱感があったので、調整しても仕方が無いところであった。
さて今週は、過熱感の後退から、上値追いを期待したいところであるが・・・・。
週足+1σは17,800円、週足基準線は16,900円、週足-1σは16,100円となってくる。
現値16,724円は基準線付近に位置しているため、上下どちらにでも動ける。
問題は、月足-1σの17,326円である。
先週の高値17,291円は、この月足-1σに打ち返されたと考えられる。
このままでは、長期トレンドが下落に転じたこととなるため、今月中にこの値を明確に上抜けたいところである。
いくつかの仕込みを組み合わせて、全体で利益を考える戦法を初めて聞いた結衣であったが、当然理解出来なかった。
「それなら長谷部さんも、自分に合った戦法を探せば良くありません?」
佳奈が思いついたように尋ねる。
「そんな簡単じゃないよ。失敗する投資家は、須らく持ち続けるつもりは無いなのに損切り出来ない人だよ。そういう人らが蠢いているところで勝てる戦法を手に入れるより、損切り出来るようになる方がはるかに簡単だよ。」
「でも、長谷部さんが損切り出来るようになるのは難しいと、萬野くん言ったよね。」
「言ったよ。でも、その世界で戦法を手に入れるのは、損切りをマスターする以上に難しいと言う意味だよ。」
「でも、浅井さんのやり方、単純じゃないですか?あたしがお父さんから聞いた方法とも似てるし。」
「それは、浅井さんが一番良く分かってるんじゃないかな?この方法も、簡単には身に付かないって。」
「そうなんですか?」
くるりと浅井の方に首を向ける佳奈。
それに気付いて、仕方なく浅井が重い口を開く。
「そうやね。しかし君は、イヤなほど、理路整然とダメ出しして来るな。会社で嫌われるのも、納得出来るわ。君にも教わった人、居るんやろ?」
「はい、居ますよ。」
よろずのが答える。
「そういう理路整然としたタイプ?」
「そうですね。全てを見切ったって感じの人です。実際、見切ってると思いますけど。」
「林野、お前ムリやぞ!こんな理路整然としたこと、お前に出来ると思えへん!」
急に浅井に言われて、こっそり食べようとしていた好物の鳥唐を落としてしまった林野であった。
「あっ・・・・・・・・・・。」
<font color="#0000FF"><font size="3">①勝負は、拙速を好む
②固まってはならない
③10戦3勝7分を目指せ
④小損は大損の仇なり
⑤勝てると信ずるべし</font></font>