下にブレイクしてしまった日経平均である。
師匠のよろずのの持ち高は、180%から1/10の18%へと一気に減ったらしい。
さて、チャートであるが、日足-2σは16,190円で現値16,164円はこの値を下回っている。
今週の週足-2σは15,700円程度まで上昇し、今月の月足-2σは15,396円まで下落している。
ここで一気に突き抜ければ直ぐに戻る可能性も高まることから、下値は深くないと現段階では考えられる。
ただ、長期トレンドは下落に転換している可能性が非常に高まっているため、中途半端な水準での仕込みは危険である。
また今週末はプチSQであり弱気の週でもある。
ここはゆっくりと下値を見て行き、GW前後までの反発に期待したい。
ビール1缶を飲み干して、2缶目に移っていた結衣である。
多少酔いが回ってきたこともあり、結衣の舌も滑らかになっていた。
「じゃ、投資の話に戻るけど、下げてもなかなか損切り出来ないのは、倒産しない限りいつかは買値に戻ると言うことを知っているからで、それを根拠に、下げた銘柄に対して直ぐに戻るんじゃないかと、淡い期待を抱いてしまうからなんだよ。」
「そうですね。それは良く良く分かります!この間のあたしも、早く戻らないかなぁ〜と思いましたもん。」
林野の言葉に、結衣が自分の体験を語る。
「だよね、みんな、下げたら確り損切りしようと最初は決めてる。だから、今回は失敗しないぞ!と、その値に達するまでは損切りしようと満々でいられる。でも、ここからが大事!」
「ここから?どこから?」
戯ける結衣である。
かなり酔いが回っているのか、林野にも分かった。
「今からだよっ!実は、その値で上手に損切りすることは、かなり難しい!」
「えっ、それはどうして?心理的なもの?」
「いや、ちょっと違う。まぁ、掻い摘んで説明すると、株価は一気に落ち無いでしょ。上下に動きながら落ちて行くでしょ。だから、その値で切っても戻すことが良くあるから、本当に損切りして良いかどうか訳が分からなくなる。」
「ヘェ〜。」
「反対に、一気に落ちて行くのは、動きが早過ぎてその値になった時は売れ無い。気づいたら損切りするつもりだったところからかなり下になってる。」
「ヘェ〜。」
「だから買って下がって損切りと一言で言っても、それを実行に移すとなるとメチャメチャ難しいのが現実なんだよ。」
「なるほど。」
「赤松さん、余り分かってないでしょ。」
「エヘヘへ・・・。」
笑ってごまかそうとする結衣。
林野としては、余りコン詰めても良くないと考え、ゆる〜く説明しようと思っていたので、丁度良かった。
「損切りは、決意したら簡単にできると思われがちなんだけど、実はそうじゃないんだよ。だから、割り切りが必要になる。」
「割り切りですかぁ〜。」
「損切りと言うのは、事前に決めている値にタッチした時点で、売値がいくらであろうが損失を確定させるために撤退するのが正解。だから、切った後に上昇しようが関係無い。タッチしたから切っただけ。更に下がるから切った訳じゃない。」
「でも、切って直ぐに反発すると失敗したーって、後悔しますよね?」
「するよ、するのは当たり前!だから、いつまでも下手なヤツは損切りをすべきかを躊躇する。上手な人は損切り値の設定を考える。」
「損切り値をですか?」
「そう、タッチしたら自動的に売るのが損切りだから、切って直ぐに反転するのはその値が間違ってる。もう少し上げて早く切るか?下げて切れないように見直す。この微調整に悩むことはあっても、損切り自体を悩むようなことはしない。」
「じゃぁさ、優待イベント投資って、損切り値を決めてないじゃないですか、どうして?」
「決めてるよ、権利日までに売れって言ってたでしょ。それが損切り値と同じこと。この場合は、値幅でなく期間で損切りを決めてるんだけどね。」
『ふーん。』と思うだけで、余り良く分かって無さそうな結衣であった。
<font color="#0000FF"><font size="3">①勝負は、拙速を好む
②固まってはならない
③10戦3勝7分を目指せ
④小損は大損の仇なり
⑤勝てると信ずるべし</font></font>