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日経平均18,360.5
TOPIX1,477.2
騰落レシオ118.1%
RSI69.3%
乖離率0.22%
売買指数75



結衣の問いに答えるよろずのの姿を見て、『先輩、相変わらずだなぁ~』と中村は思っていた。

1つ1つ、逃げ道を塞ぐように説明するやり方が、よろずのらしかったのである。

しかし、そうなると、かなり年上と言えど、結衣が可哀想に思えて来るのだった。





「先輩、赤松係長は、もう一年ですよね。始めてから。」

「さぁ、オレ知らんぞ。」

「まぁ、去年の秋に林野さんと出会ってからだから。」

「もうちょっと、シッカリと説明してあげても良くないですか?」


ちょっと可哀想になって、助け船を出そうとする中村。


「あんな、係長はオレやなくて、林野が教えてんの!オレは、一度たりとも教えるなんて言ってない。」

「林野さん?」


一度目の時は流したが、さすがに二度目は気になった中村である。


「あ、中村くんは、知らなかったわよね。京都にいるタクシーの運転手さんで、よろずのくんの弟子!」

「へぇ~、もう誰にも教えないって、先輩言ってたのに!?」


弟子と言う言葉に、反応してしまった中村。


「アホ、林野とはその前からの付き合いや。それに弟子やない、単なる知り合いや。」


横を向きつつよろずのが答えた。


「赤松係長は、その林野さんに教わってるんですね。」

「ええ、そうなの。」

「林野さんは、どういう投資をされてるんですか?」

「うーん、良く分からないんだけど、吹き値売りって言うのかな?新興市場銘柄を中心に、動かない間に買って、吹き上がったら売ると言うの。」

「吹き値売りですか!?先輩、林野さん、まだトレンド掴めないんですか?」

「はぁ??」

「トレンドって相場の大きい流れですよね。それくらいなら、分かると思います。」


中村の問いに、よろずのは不機嫌そうに反応したことから、代わりに結衣が答えた。


「いや、分かってもその通りに動けなかったら、分かったと言えないんです。動けるなら、もっと効率良い投資を先輩は、教えてると思うんですけど。」


『林野さんでも中村くんからしたら、下手扱いになるの!?』と思い、ちょっと不愉快になった結衣であった。



①勝負は、拙速を好む

 

②固まってはならない

 

10戦3勝7分を目指せ

 

④小損は大損の仇なり

 

⑤勝てると信ずるべし