日経平均 | 18,765.5 |
TOPIX | 1,512.7 |
騰落レシオ | 129.2% |
RSI | 74.6% |
乖離率 | 1.92% |
売買指数 | 259 |
結衣の酔いが回り始めたことに気づいたよろずのと中村である。
「そう言えば赤松係長、最近忙しかったもんな!?」と結衣の体調を気遣う中村と、「めんどくせーっ!!」と考えるよろずのである。
こう言う時のよろずのは、まさに外道である。
「何買ってるのかって、聞いてるのっ!!答えられないの??」
よろずのがなかなか答えないので、結衣の機嫌が徐々に悪くなり始めた。
それを感じ取ったよろずのは、『ヤバイ!』と思い、急いで答えようと口を開いた。
「いえ、そんなこと無いですよ。答えられますよ。今は買って無くって、売ってるんです。」
「売ってる?」
「空売りです。」
「へっ、そうなんだ。」
売ってるだけでなく、空売りと聞いて、予想外の答えに今度は結衣の思考が追いつか無かった。
その表情を見て、よろずのは『マズった!』と思った。
何も真面目に、結衣に対して本当のことを答える必要は無かったのである。
空売りと言うのは、熟練者しかやってはいけない手法である。
まして、日経平均の上放れ局面での空売りは、熟練者の中でも更に熟練を重ねた者でも安易にやらないようなハイリスクな行為である。
それをよく分からないであろう結衣の耳に入れたことを悔いたのである。
「確かに最近、良く騰がってるわね。」
自分で考え、分析して、納得し始めた結衣を見て、更にマズイとよろずのは焦り始めた。
誤った理解は、『百害有って一利なし』なのである。
「係長、違います。今の相場は、ここ一年の上値抵抗帯を突き抜けて上放れしてますよね。」
「うん、前に萬野くんがLINEで教えてくれたよね。」
「はい、上放れ局面での空売りは厳禁なんです。」
「厳禁って、やっちゃダメってことだよね。」
「ええ。」
「どうしてやってるの?」
直球を投げられたよろずのは、『やっぱりそう言うよなぁ~。』と失言を悔やまずにはいられなかったのであった。
①勝負は、拙速を好む
②固まってはならない
③10戦3勝7分を目指せ
④小損は大損の仇なり
⑤勝てると信ずるべし