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日経平均18,996.4
TOPIX1,525.4
騰落レシオ142.5%
RSI75.7%
乖離率2.84%
売買指数309



今、よろずのは、無理な勝負をしている。

上放れの空売りなどは、リスクが高いばかりでリターンは少ないのである。

『勝ち易きに勝つ』が、よろずのの信条のはずである。





「ホント、何で売ってるんでしょうね!?」


よろずのは、ついつい本音がポロリと出てしまった。

当然、小声だったとはいえ、2人の耳には入ってしまった。


「えっ・・・。」

「また、先輩、そんなことしてるんですか!?バレたら叱られますよ!」


一瞬凍った結衣の表情を見て、結衣に何と説明しようかとよろずのが迷っている間に、中村が呆れたように、言葉を投げ掛けた。

それをよろずのより素早く拾ったのが、瞬時に解凍された結衣であった。


「またって?」

「先輩、年に1回くらいはやりますよね。」

「何を?」


中村がよろずのに話しているところに、結衣が強引に割り込む。


「先輩の悪い癖で、軽い気持ちで仕込んじゃって、失敗するんです。そしたらムキになって、それで取れるまで止めないで、やり続けるんです。」

「へぇ~~。」


目を爛々と輝かせて、中村の話に結衣が食い付く。


「普通はやめた方良いんです。勝てないだけじゃなく大抵の人は大損になるから。でも、先輩の実力なら勝てるんですよ。」

「なーんだ、それなら問題ないでしょ。」


結末が予想と違ったので、ちょっと残念に感じた結衣。


「いえ、それでいつも終わってから後悔してるんですよね。もっと楽に安全に取れる方法があったのにって!ですよね、先輩!」

「ほっとけ!」


不機嫌によろずのが言う。


「やっぱ、図星なんですね。」

「そうなんだ。」


一旦違うと思った結末が、そうズレて無かったとわかると、予想が当たる以上に嬉しくなる。

それも、何でも計算尽くでしか動かないと思っていたよろずのにも、そういう一面があるんだと知って、弱みを握った気分になった結衣であった。




①勝負は、拙速を好む

 

②固まってはならない

 

10戦3勝7分を目指せ

 

④小損は大損の仇なり

 

⑤勝てると信ずるべし