週末に急反騰した日経平均である。
ここ数週間、18,800円から19,600円という狭いレンジ内の動きになっていて、週末の動きからも、このレンジ内ということになった。
このため、週足ボリンジャーバンドは収束の動きになり、上下どちらかに振れるタイミングが刻一刻と近付いて来ている。
そこで、今週の週足+2σは19,700円程度、+1σは19,400円程度まで下落して来る。
更に何度も言うように、月足+2σは19,631円である。
現値19,387円では、上値余地は250円程度となる。
また、SQ値は19,276円であり、これを上回っている間は強気である。
反対に週足-2σは18,600円程度、-1σは18,850円まで上昇して来る。
つまり、下値は限定的だと言うことである。
最後に日足は、ゆっくりとした右下がりトレンドを形成している。
これは、月足に押さえられて上値が取れないからである。
だから今週も、SQ明けながら、上にも下にも大きく動けない状況になるだろう。
「じゃ、先輩、もう一つ質問。」
「ええよ。」
立とうとしていたよろずのは、再び座り直した。
「先輩は心理で相場を見てるってことですけど、どうして心理になったんですか?」
「それは、木佐森吉太郎さんの本を読んだからやな。言わんかったっけ?」
「聞きましたっけ???」
ちょっと覚えてなかった中村である。
「まぁ、ええけど。オレがまだまだど素人やった頃に木佐森さんの本を読んで、そこに投資は売り方と買い方の攻防やと買いてたんや。だから、孫子の応用が利くって考えて突き詰めたら、こうなっただけや。最初に鈴木が孫子を教えて欲しいと言ってきた時に、投資をやらせた、身近な実地訓練として。」
「あ、そうでした、そうでした。その話、聞きました、聞きました。」
鈴木のことを言われて、思い出した中村である。
「やろ。」
「はい。」
「売り方と買い方の陣取り合戦。お互い、自分の勢力をどう広げるかが問題。俺らはそこに、1旅を率いて参戦してる感じやな。」
「1旅ですか?」
「1軍やったら明らかに相場操縦になるやろ、1師でも影響力が強過ぎる。1旅を率いてると考えればいい。」
「1旅ですか・・・。戦況は元帥次第でどうしようもないってことですかぁ~!?」
「せやな。但し、敵前逃亡しても問題ないし、裏切りも構わないのが、この合戦の参加者のミソだよ。」
「なるほど。」
合点がいった中村である。
「デイトレは、ポジショントレードと違って敵方の動きが良く見えるから、また違った趣きがあるぞ。」
「はい、ありがとうございます。あ、因みに本のタイトルは?」
「『相場道の極意』と『株式罫線のなんちゃら』だったかな?」
言いながら立ち上がろうとしたよろずのを中村が再び止めた。
「あ、先輩、最後にあと一つ。」
「うん?」
「今だったらポジションで何買われますか?」
「8897タカラレーベン。」
やっぱり8897タカラレーベンにこだわりがあるよろずのであった。
※ 古の国は、三軍を持つと言われていた。一軍は五師からなり、一師は五旅からなる。つまり一旅は、全体の1/75と言うことになる。また、一旅は、500人の部隊でもある。
①勝負は、拙速を好む
②固まってはならない
③10戦3勝7分を目指せ
④小損は大損の仇なり
⑤勝てると信ずるべし