日経平均 | 21,252.7 |
TOPIX | 1,704.0 |
騰落レシオ | 84.7% |
RSI | 38.1% |
乖離率 | △2.12% |
売買指数 | 102 |
結衣が回答を迷っている間は、沈黙が続いた。
そして、その沈黙が、結衣を焦らせた。
言われてみれば、確かに受験勉強することが目的と化していたと思うのである。
「えっ、あっ・・・。」
焦れば焦るほど、答えが口から出難くなる結衣である。
それを見越したように、林野が話を続けた。
「ですよね。普通、受験勉強してた時は、得意科目中心にやりますよね。」
「あ、でも、それは不得意科目が面白く無いからで・・・、ほら、不得意科目ばかりやってると気分が萎えるじゃないですか!」
「分かりますよ、僕も赤松さんと同じ気持ちでしたから。」
「ですよね。」
林野に同意されてホッと一息つく結衣。
「でも、よろずのさんは、それを手段の為に目的を忘れた愚行と言い切ります。合格する為の手段のはずの勉強が、勉強することが目的に置き換わってしまっている為、勉強時間を稼ぐ為に得意科目を勉強する。」
「でも、全く無意味だとは言い切れ無いですよね。勉強すれば、得意科目であってもその分身に付くんだから!」
「僕もそう言ったら、更に一刀両断に斬り伏せられましたよ。その発言は、既に目的が合格から変わってないかって。つまり、よろずのさんが言うには、勉強するのがイヤになったら止めたらいいんだって。止めたら勉強してない罪悪感に駆られて、不得意科目でもガマンするようになる。逆に、得意科目でその罪悪感を紛らわせてしまったら、結局、不得意科目に割く時間は増えないって。」
「でも、思い切って勉強止めちゃって、全く勉強しなくなるって危険性もありますよね。」
「そういう人間は、そこまでの人間だったってことだと言うことです。その程度で安易に走る人間は、不得意科目から逃げることしか出来ないから、いくら得意科目ばかり勉強してても合格しないって、言ってました。」
「かわいくない発言だなぁ~。」
何もかもを見通したような言い方をするよろずのに対して、本気で可愛く無いと思う結衣であった。
①勝負は、拙速を好む
②固まってはならない
③10戦3勝7分を目指せ
④小損は大損の仇なり
⑤勝てると信ずるべし