動かなかった日経平均である。
21,830円を上回るか、21,575円を下回るか、が今後を占う鍵であったが、結果的にはその鍵が使われることは無かった。
13日(火)には上へ行きそうに思われたが、売買代金が拡大しなかったことから、動けなかった。
そこで今週は、週足-2σと週足-1σは、それぞれ殆ど変わらずの21,000円前後と21,800円前後に位置している。
ただ、VBが縮小から拡大へ転換し始めていることから、タイムリミットが近付いている。
早急に上値追いの展開にならなければ、下放れの動きになる可能性が高まる。
本来であれば、アノマリーとして強気のはずであるが、売買代金が拡大しないと、そのアノマリーも機能しない。
どちらにしても、今週も引き続き、結果が出てから動いても遅くは無いだろう。
キツネにつままれたようなよろずのの説明。
更に細かい説明が欲しいと思ったのは、結衣だけでは無かった。
「で!?」
「で??」
佳奈の一語に、同じ一語で返すよろずの。
「そこまで言ったら、確り説明するのが礼儀でしょ。」
「やっぱ、そうなります??」
「なりますっ!!」
また、よろずのがはぐらかすようなことを言うので、そうはさせじと結衣が言葉で詰め寄った。
「そんなに難しく考えなくて良いんですよ。少なくとも、必敗法をやらなきゃいいんです。」
「損切りするってこと?」
「そうです。みんな、損したく無いから損切りしようと決めていたのに躊躇って、ゴールポストを動かす、勝利条件を変更する訳でしょ。でも、ゴールポスト動かしたら、結局、ゴールそのものがあやふやになってしまいます。これは何度も言ってる事ですが。」
「うん。」
「ゴールそのものがあやふやになるってことは、勝敗自体があやふやになって良く分からなくなる。つまり、ゴールポストを動かすことは、負けを勝ちに変えるのではなく、負けと言う決定的事実をあやふやにして、自分自身で負けを自覚しないよう誤魔化してるだけなんです。その結果、あるデメリットが生まれてしまう。」
「デメリット!?」
「そうです。勝敗をあやふやにするから、その投資を経験として記録できないんです。だから、その後の投資に生かせない。同じ失敗を繰り返して嫌になる。だから、必勝法が欲しくなるんですよ。」
遠まわしに嫌味を言われ、苦虫を噛み潰したような顔をする佳奈であった。
①勝負は、拙速を好む
②固まってはならない
③10戦3勝7分を目指せ
④小損は大損の仇なり
⑤勝てると信ずるべし