180330







日経平均21,454.0
TOPIX1,716.3
騰落レシオ98.0%
RSI44.7%
乖離率0.73%
売買指数8



よろずのの最終日である。

淡々としているよろずのに対して、周囲はソワソワしている。

結衣も、その周囲の一人なのだが・・・。








林野から話を聞いた後に、もうちょっと細かいところをよろずのから聞きたいと思っていながら、時間が無くて最終日になってしまった。

『判断に行動が付いて行って無いな!』と、反省する結衣である。

このまま見送っては、損切り出来ない投資と同じだと考え、仕事時間中であるにも関わらず、よろずののところに行って、そのまま休憩室に連れ出したのである。


「何ですか?まだ、引き継がないといけないこと残ってるんですけど。」


強引な結衣に、批判めいた視線をしながら、話し掛けるよろずのである。


「分かってるわよ。このまま君を送り出したら、あたしが激しく後悔しそうだから、来て貰ったの!」


よろずのは、結衣の口調から、切羽詰まってることに勘付いた。


「何ですか?一つだけですよ。そう言うことは、林野からシッカリ聞いて下さいよ。」

「分かってるわよ。林野さんと別れた後に気づいたんだから、仕方ないじゃ無い。」

「それなら、また呼び出したら良いんですよ。課補が呼び出したら喜びますよ。」

「そんな毎回毎回、ちょっとしたことで呼び出したら、林野さんに迷惑になるでしょ。嫌われたらどうするの!!」


『オレには嫌われて良いんだ』と思いつつ、仕方ないかと思うよろずの。


「はい、はい。じゃ、どうぞ言って下さい。」

「えーっと、林野さんからデータの使い方について聞いたんだけど、データは撮り続けるじゃない!?そしたら、いつから始めたら成功率が上がるかなって!?」

「それは、最初は五分五分だから、いつ始めても同じです。」

「ホントに五分五分なの?あたしの経験上、9ー1で、失敗すると思うんだけど。」

「それは、データの使い方による成功率だけで無く、根本的な能力が初心者には欠けてるからですよ。データの使い方だけでなく、仕込んだ後の身のこなしとかが出来て無いからです。」

「身のこなし・・・。」

「この間説明したじゃないですか!騰がるか下がるかは二段階目で、儲かるかどうかは一段階目。」

「あっ、そうか。」

「だから、一段階目を手に入れている投資家にとっては、どんなタイミングで始めても五分五分。後は経験と共に確率が上がるだけですから!」


こう言い残して、よろずのは去って行った。

そして、これが結衣にとってのよろずのからの本当の置き土産になったのであった。



①勝負は、拙速を好む

 

②固まってはならない

 

10戦3勝7分を目指せ

 

④小損は大損の仇なり

 

⑤勝てると信ずるべし