日経平均 | 22,018.5 |
TOPIX | 1,736.1 |
騰落レシオ | 94.0% |
RSI | 22.6% |
乖離率 | △2.68% |
売買指数 | △238 |
手法を超えた原理原則と言う林野。
それがどう言うことを意味しているのか、理解が届かない美波である。
だから、林野が続きの説明をするのを待っていた。
「損切り投資って言うのは、戻り待ち投資みたいに、早く騰がる銘柄を探すんじゃないんだよね。分かる?」
「まぁ、そうだね。」
「損切りって言うくらいだから、如何に損を少なくして切るかっていうのが、大事なんだよね。」
「まぁ、そうだね。」
「こんなこと、誰でも知ってる当たり前のことでしょ。」
「まぁ、そうだね。」
「・・・・・・。」
同じ反応を返されて、さすがに、ジト目で美波を見る林野。
「何よっ、続きは!?ちゃんと、真面目に聞いてるわよ、相槌もちゃんと打ってあげてるじゃない!!」
「・・・・・・。」
「ゴメン、林野が、柄にもなく真面目に話すもんだから、ちょっと茶化したくなっちゃって・・・。もうやらないから、絶対。」
さすがに悪いことしたと思った美波は、手を合わせて詫びた。
その姿を横目で確認した林野は、続きを話し始めた。
「よろずのさんが、最初の頃に、知っていることと、理解することは違うと言ってたんだけど、その違いがやっと理解出来るようになったってことだよね。損切りが理解出来るようになったってこと。」
「じゃぁさ、その違いを林野の経験の中で良いから、具体的に教えてよ。」
「そうだね、真面目に損切りの練習をしたってことだね。」
「損切りの練習をした?」
「うん、よろずのさんに言われてたんだけど、無視してたんだよね。そんなん、練習しなくても出来るだろうと思ってたから。でも、損切り投資では殆ど実績が出なかったから、初心に戻るつもりで、去年の正月から、初めの方に言われたことを思い出しながらやり直してた訳。」
「それが損切りの練習??」
「そう。一番最初に、具体的に言われたのが、損切りの練習だった。100回損無く逃げてみろって言われたんだけど、全然意味分かんなかったから、聞き流してたんだよね。」
「それをやったら、どうだったの?」
「損切りって、出来るかどうかは、仕込む前から決まってるってことを実感した。」
「仕込む前って、買う前だよね。」
「まず、買った直後に騰がるかどうか?次に、買った直後に買い注文が入るかどうか?対処できる値動きかどうか?最後に、売りたい時には売れる厚みがあるかどうか?この条件を満たさない限り、オレは上手に損切り出来なかったんだよね。」
「だから?」
「だから?って・・・、つまりオレが損切り投資するためには、この4つの条件が大前提に存在してたってことなんだよっ!!」
『美波の理解って、こんなに悪かったっけ?』と思う林野であった。
①勝負は、拙速を好む
②固まってはならない
③10戦3勝7分を目指せ
④小損は大損の仇なり
⑤勝てると信ずるべし