林の錬金術師

3198ＳＦＰ系の『鳥良　茶屋町店』に来ている結衣と渋川である。

渋川が相談したいことがあると言うことで、結衣が連れてきたのである。

手羽先が売りの業態である。

「それで、改まって話しって？？」


乾杯をして、料理も来たところで、結衣が聞いた。


「それは、ほら、この間、教わったじゃない、相場の風景の話。」

「あー、風景がどうしたの？？」


この間の話のことを思い出しながら相槌を打つ結衣。


「言われてから毎日色々とチェックして、売り手、買い手それぞれの風景がボヤッと見えるようになったのよ。」

「ふぇ～～、マコ、真面目だね。」


手羽先を頬張りながら、ちょっと茶化す結衣。


「そういうのは、いいからさ。何か、こう、ボヤッとした風景が見えそうなところまで来てるんだけど、そこから先が進まないのよ。」

「うんうん。」


渋川に言われて、少し真面目に頷く結衣。


「でも、ボヤ～っと言うので止まっちゃって、それ以上ハッキリにならないのよね。」

「なぁ～んだ。大丈夫、あたしも同じだから！！」


お絞りで手を拭きながら、言う結衣。


「結衣も同じ！？聞いて良かったぁ～。で、ここからはどう進むの？？」

「どうって、あたしもボヤ～っとしたままってところが同じなの！！」

「はいっ！？」

「あたしもそこからふふんひぇないの。」


今度は、から揚げを頬張る結衣。


「えっ！？どれくらい？？」

「ひぃひぃにぇんくらいふぁなぁ～～。」

「もうっ、食べるか、喋るか、ハッキリしてっ！！」

「うんっ、１年くらいかなぁ～。」


飲み込んで、言い直す結衣であった。

①勝負は、拙速を好む

②固まってはならない

③10戦3勝7分を目指せ

④小損は大損の仇なり

⑤勝てると信ずるべし