181211








日経平均21,148.0
TOPIX1,575.3
騰落レシオ84.6%
RSI36.9%
乖離率△3.40%
売買指数△369






評価損になっていれば、作戦を失敗していると思ってしまう。

これは、誰もが持つ共通の感覚である。

だからこそ、自分の恐怖心に勝たなければならないという意味で、投資は自分に勝たなければならないものなのである。







「確かに2ヶ月が経過していますから、通常のポジショントレードだったら失敗かもと思える期間です。でも、最初から、長めのポジションから短めの中期投資だという前提で組み立てていますから、まだまだ範囲内です。」

「それなら、これが半年間続いたらどうなります??」

「この作戦は失敗だと判断して、損切りします。」

「それなら、今、損切りした方が、被害は小さくないですか??」


既に、ほぼ心が折れてしまっている結衣は、途中であるにも関わらず、作戦を失敗したものだと看做していた。

そして、いかに損失を小さくして撤退するかを考え始めていた。

何度も言うが、まだ、作戦の途中であるにも関わらず・・・・。




心が折れてしまうと、合理的な判断ができない。

それは、林野も、一番良く知っていることである。

だからこそ、下値で買い増しできる余裕が要るのであるが、結衣はその余裕があっても、一度プラスになった評価益がマイナスに転じたことを受け容れられないようであった。

『まぁ、オレもそんな頃あったからなぁ~~。結局、自分でそれを受け入れられるようにならないと、先には進めないんだけど。』と多少懐かしさを感じながら、どう結衣に説明したら良いかと、林野はバスに揺られながら考えていた。



「どうしても納得できなかったら、直ぐに損切りすべきですね。ここでダラダラ持っていても、ストレスになるだけですし、もしこの後利益になって儲かったら、それは得てはならない利益になります。でも、何度も言いますけど、今はまだ作戦の途中です。結果は出ていません。」

「それは分かるんですけど。」

「そうだ。よろずのさんは、評価益を見ないって知ってます??」

「それがどうしたんでしょう??」

「よろずのさんは、自分自身を小心者だと言い張ります。評価益を見ると利確したくなり、評価損を見ると損切りしたくなって、ガマン出来なくなるらしいんです。だから、作戦が終わるまでは一切見ないそうです。作戦が終わってから、始めて儲かったとか、損したとかを知るらしいですよ。」

「前に聞いたことある、その話。」

「よろずのさんですら不安になることなんですから、赤松さんが不安になるのは当然です。それをどう乗り切るかが、カギですよ。」


『よろずのと同じ』と言われたたげで、急に不安が減っていく結衣であった。




 

①勝負は、拙速を好む

 

②固まってはならない

 

1037分を目指せ

 

④小損は大損の仇なり

 

⑤勝てると信ずるべし